「あだし」とは「儚い・虚しい」の意味。化野念仏寺があるこの地は、古来より葬送の地として知られ、和歌においては「化野の露」として、人生の無常をあらわす枕詞に使われてきました。今から約1200年前、弘法大師はこの地に五智山如来寺を開創し、風葬された野ざらしの遺骸を埋葬し供養。その後、法然上人の常念仏道場となり、寺名も「念仏寺」に改められました。本尊は鎌倉時代の仏師・湛慶作と伝わる阿弥陀如来坐像。境内には、8000体を数える石仏・石塔が並ぶ「西院の河原」があり、毎年8月23・24日(17:30~20:30受付)には、それらに灯りを供える「千灯供養」が行なわれます。車いすで参拝する場合は、事前に連絡すると車いすの利用者向け参拝ルートを教えてもらえます。(調査月:2018年12月)
入り口から左に行くと、六面体地蔵や墓地へと続く竹林の小径があります。長い階段になっているので、車いすで進むことは難しいのですが、その入り口からは、心地よい竹の葉ずれの音や清々しい風を感じる事ができます。
境内は基本的に砂利道で、本堂や寺務所、トイレの前などには石畳が敷かれています。道幅はおおむね90cm以上あり、砂利はそれほど深くありませんが、足元と周囲に注意を払いながら進みましょう。また、石畳には所々5cm程の切れ間があります。
ずらりと並ぶ8000体の石仏・石塔は、その昔、化野に葬られた人たちの墓石。時代が経て無縁仏となり、山野に散乱埋没してしまったため、明治中期に集めて安祀されました。三途の川の畔にあるという河原を彷彿させることから、「西院の河原」と呼ばれています。地面は砂利道で、中心となる通路の幅は70~95cmほど。石仏間の細い通路の幅は40~50cmです。広めの場所を選んで移動を。